元よしもと芸人がカフェを開業するまでの波乱に満ちたストーリー「売れない芸人がカフェ屋さんになるまで」連載第5回「焙煎を始めた頃のはなし」

「焙煎を始めた頃のはなし」

コーヒーの勉強を始めて半年ぐらい経った頃。

自分が美味しいと思えるドリップが出来上がってコーヒー屋さんの業務が馴染んできていた。

師匠のお店では焙煎前の生豆と焙煎後の豆の選別をこなし、店内で過ごすお客さまには自分のドリップでコーヒーを提供し、バイト先の星乃珈琲ではドリンク場を任されつつ、気がついたらパンケーキ焼いたりパスタ作ったりとキッチン業務まで任されるオールラウンダーになっていた。

コーヒーはと言えば自分のドリップで淹れたコーヒーが断然好きだけど、星乃珈琲のドリップで淹れたコーヒーは「コレはコレで…」なんて言ったりして。


遠藤昭平さんの入れるコーヒー
遠藤昭平さんの入れるコーヒー
たかだか半年しか勉強してないのにコーヒー知ってまっせ顔が出来上がっていて「コーヒーのことなら僕にどうぞ」な自信も出てきていた。

半年前に仕事をクビになって病んで実家に帰ったヤツとは思えないぐらい環境はめちゃくちゃ良かった。

ある時、師匠のお店で働きつつ雑談をしていたら話の流れでコーヒー屋としての適性の話になった。

「コーヒー屋さんとしてどこを目指すのか?」

ドリップやラテアートを得意とする「抽出」のプロになるのか、コーヒー豆の焙煎で味の良し悪しを表現する「焙煎士」になるのか。

師匠の背中を見てこれまでやってきたし「コーヒーの味は抽出よりも焙煎が1番大きく影響する」と師匠から聞いてしまった以上やらない選択肢はない。

師匠に相談すると「いきなり焙煎機を買うのはリスキーだから…」ということでアウベルクラフトという小さい焙煎機から始めることになる。

アウベルクラフトの焙煎機
アウベルクラフトの焙煎機
こんなシンプルな網カゴで焙煎出来るのかよ…!と最初は思うも焙煎において豆に火が入っていく様子をちゃんと見れる、というのがいかに大事なポイントであるかを後に思い知らされる。

ただいかんせん構造がシンプルすぎて網を支えるフタの調整を間違うと網とフタのスキマから豆がポロポロ落ちて生豆を100g入れたのに終わってみれば15gしか残ってない、というポンコツ野郎なのでその点は気をつけたい。

その後類似品も販売されたりもしたけど、機能や見栄えは良くても肝心な焙煎している豆が見づらかったりして今でも焙煎を始める人にはまずはアウベルクラフトをオススメしたい。

しかしキッチンが汚れるのなんのって!網のスキマからチャフ(豆に付いてる薄皮)がガスコンロの風圧に乗って紙吹雪のように舞ってついでに床や玄関もチャフだらけになるのはご愛嬌。調子が良いとチャフが燃えながら舞うので焙煎というより室内ソロバーベキューである。

焙煎する時は梅沢富美男の「夢芝居」をBGMにすると舞うチャフが紙吹雪に見えて1人紅白歌合戦気分を味わえてオススメだけど、紅白気分に没入するあまり火を止めるタイミングを逃したとしても苦情は一切受け付けないのでそこんとこよろしく。

むしろ「それもまた一興だな!」と言える余裕を持ち合わせて焙煎を楽しんでもらえる方にオススメです。ぜひ。

最後に焙煎が上達するコツは、やっぱり誰かに飲んでもらうことが大事かな。バカのふりしてコーヒー屋さんにお願いして飲んでもらって感想をもらうのもアリだけど断る店主さんが多いのもこの業界の闇な気がする。

ちなみに自分はそういう焙煎の良し悪しもたぶん喋っちゃうので焙煎について知りたい人はぜひ三鷹までお越しください!

本日はここまで!コーヒーを始めた当初は自信たっぷりだったけど最近はひっそり謙虚に東京の三鷹市にあるBARをお借りしてほぼ’sカフェというヘンテコな名前でカフェ屋をやってます。

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次回は「出張ドリップの苦い思い出」がテーマです。次回もどうぞよしなに。
ほぼ's カフェ
青森県十和田市出身。8年間お笑い芸人として活動したのち、営業マンを半年でクビになり、喫茶店のマスターに憧れてコーヒーの勉強を始める。
現在は三鷹市で駅前のBARを間借りして営業中。
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